「ほとんどビョーキ」になってみよう。

最近の若者は欲がないらしいです。僕は30代なので若者ではないですが、そんなに欲はないですね。願いがあるとすれば、毎日働かずにダラダラ過ごして、気が向いたら服とか本とかDVDを買いまくって消化したいだけです（むしろなんて欲深いのか。まあ今も似たような生活です、お金がないだけで）。というわけで僕は欲望と縁を切ることが出来ないようです。

若者は生まれてから（もしかしたら死ぬまで）ずっと不況の中を生きているのでそら欲望もなくなりますよ。そうしないとむしろ生き残れないわけですからね。

僕の子どもの頃思い描いていた社会と実際の現状は全く異なって嘆かわしい限りです。こんな堅苦しい世界が広がっているとは思わなかったっす。

僕がまともに社会で働いていた頃、給料のほとんどを服につぎ込んでいました。買って買って買いまくって借金して買いまくる。空気を読まずに買いまくる。家賃を払わずに買いまくる。年金とかどうでもいい金を服につぎ込む。こそこそ貯金する暇なんかなかったです。貯金したところでどうせまともな未来はやってきませんから、それならパーッと使っちゃおうよという意識で使っていたわけですね。おかげで全く服の知識がなかった僕でも多少は学べました。その代わりに大きな負債まで背負っちゃいましたが。

そういうようにあえてアホのように欲望にどっぷりとつかるという経験も必要な気がします。対象が性愛でもいいし車でもいいし利殖でもいいですよ、何でも。そうしないと見えてこないものは必ずありますからね。失敗することこそ人生だ、とまでは思いませんけど。

集中と開放を繰り返して妙な自意識をあぶり出して、それをすくって捨てる。そしてどんどん欲深くなる（笑）。それを楽しむくらい、何かに照準をあわせて馬鹿になる。そうやって自分を拡充して、掘り起こすことによってむしろ社会性が身につくと思うんですけどね、どうでしょうか。