服をつかむ男
ブランド服というものがこの世に存在することを知って約6年。
これまで様々な服を手にとってきました。
生まれてからこれまでずっと貧乏、これからも多分貧乏な僕はとてもハイブランドと仲良くできるような身分ではありませんが、ネットの力を駆使して廃棄寸前のセール品をゲットしたりなどして、それなりの額を投資し、それなりの数を購入してきました。そしてこれからも死ぬまでそうすることでしょう。
東京で働いていたころは給料のほとんどを服を使い、一心不乱に買いまくって、少し汚れるとドルガバだろうがなんだろうが平気で捨てていた罰当たりな僕ですが最近は改心して一点一点お気に入りの物だけを買うようにしています(でもセールでですけどね)。
さらに、これまではほとんどやってこなかった服のケアにも気を配り、部屋が片付いたら靴磨き専用スペースも作ろうと考えています。
もしハイブランドと出会わなければ僕は今、どんな服を着ていたのでしょう。
ユニクロかアベイルか、多分そこらへんの服だったはずです。
ジーンズは量販店で一番安い物を買っていたはずです。
もともとそういう生活をしていたわけですから。
マルイ系なんて店に行くのが億劫できっと着ていなかったでしょうね。
それに、自分が大学生時代どんな服を着ていたか全く記憶にないのです。
ちょこちょこ上記の店で買っていたはずなんですが。
それほど服に興味がなかったのでした。
それが、今では自分がどんなブランド服を買ってきたか(誰も興味ないのに)ブログで振り返ったりしています。
ブランド服そのものも興味深いのですが、何より自分の変化そのものが興味深いです。
新しい情報をどのように自分なりに取り込んでいくのか。
興味の対象が絵画だろうが映画だろうが小説だろうが服だろうが、そのプロセス自体は大きく差異はないだろうと思います。
レンブラントの技法は具体的にどんな物なのか?
ヴェンダースの映像はなぜ美しいのか?
ドストエフスキーの登場人物はなぜあんなにも饒舌なのか?
ジャケットの着丈はどれくらいが好ましいのか?
疑問を自分なりに解決していく楽しみ、まさに人生そのものです。
服を好きになることで人生に新たな楽しさが生まれた、とは言い過ぎでしょうか。
僕は服は好きですが、知識としてはまだまだです。
ただ時間だけはあるので、あの世に旅立つ前までにはもう少し詳しくなりたいと思っています。
僕が死ぬ時はどんな服を着ているのだろう・・・・・・?
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